HOTELLI aaltoの意味は、フィンランド語で「HOTELLI」は「ホテル」、「aalto」は「波」を表します。
建物から内部インテリアまで統一された北欧スタイルは美しく機能的で、20世紀を代表するフィンランドの建築家でありデザイナーであるアルヴァ・アアルトへの敬意も感じられるように思います。
晩夏の季節に一泊二日でこちらのホテルに宿泊しました。
滞在中から思わず「誰かに伝えたい!」とブログでご紹介したくなる程の居心地の良い素敵なホテルでした。
早速こちらのブログ記事にまとめましたので、参考にしていただければと思います。
1.ホテリアアルトのアクセスと外観
ホテリアアルトは裏磐梯の人気観光地、五色沼の目と鼻の先にあります。
ホテリアアルトにチェックインする前に楽しみにしていた五色沼散策でしたが、あいにくの荒天で、
雨具のお陰で全身ずぶ濡れにならずとも散々な状態で、やむなく退散し逃げるようにホテルに向かいました。
五色沼のビジターセンターからホテルまでは車で数分の距離。
ちなみに、私は自家用車でホテルに向かいましたが、公共交通機関で行く場合には、ホテルがJR猪苗代駅まで無料で迎えに来てくださるようです。
無料送迎をお願いしたい場合には予約時にその旨お知らせする必要があります。
送迎時間は以下の通り決まっているようです。(2023年9月時点の情報です。)
最新の情報はホテリ・アアルトのホームページもしくはホテルに直接お問い合わせしてご確認いただく方が安心です。
[ お迎え ]
猪苗代駅14時52分着の電車に合わせてお迎え
[ お帰り ]
ホテル出発 11時15分→猪苗代駅11時58分発の電車をご利用ください
上記時間が難しいようでしたら事前にホテルにご相談してみた方が良いかもしれませんね。
ホテル到着の頃には雨は小康状態になっていました。
40年前の山荘を3人の建築家がリユースしてデザインホテルに再生したとのことで、大きな切妻屋根や窓の配列が確かに山荘の面影を感じさせます。
2.ホテリアアルトのエントランス
エントランスに入ると、温かみのある色調の天然木のインテリアと控えめな照度のライティングの心地よい空間が広がります。
所々に北欧名作家具も目に入ります。
ロビーはこじんまりとしていますが、それがまた不思議と自宅にいるようなくつろいだ気持ちにさせてくれます。
チェックインはエントランス奥のラウンジで行います。
このラウンジにある飲み物は、宿泊者はいつでも飲み物を無料でいただくことができます。
ちなみに、こちらのラウンジだけではなく2階にあるラウンジや自室にて飲み物をいただいてもOKとのことです。
3.ホテリアアルトの室内の様子
今回は本館の203号室に滞在しました。
この日も何組か滞在していたようですが、廊下は常に静かで滞在中どなたともすれ違うことはありませんでした。
扉を開けて室内に入ると、小さなボックスが目に留まります。
このボックスの秘密は後ほど判明します。
鍵は2つ。
鍵の形がクラシックで可愛いですね。
それぞれにホテリアアルトのマークがついた木製プレートが付いています。
1つについているディンプルキーは部屋内にあるセキュリティボックスの鍵です。
203号室はホテルの中庭に面した比較的リーズナブルなお部屋ですが、35㎡の広さがあり、大人2名が短期滞在するには十分な空間だと思います。
窓の外には豊かな緑が広がります。それぞれの季節で違う木々の様子を見たくて、また違う季節に滞在したくなりますね。
室内はところどころ天然木であつらえられていて、温かみのある空間になっています。
備え付けのコーヒー、お茶だけではなく、冷蔵庫内にあるビールなどの飲み物も全て無料です。
とても嬉しいサービスですね。
洗面室は白いタイル張りで明るくて清潔感があります。
アメニティも必要十分に備え付けられています。
基礎化粧品はシュウウエムラ。
シャワールームの扉はクリアなガラス張りで開放感があります。
シャンプーとトリートメントはデミ ヘアシーズンズ アロマシロップスシリーズのフローズンムーンでした。
使用感と香りが気に入り、早速探して購入し自宅でも使っています。
タオルウォーマーが備え付けられています。冬期は特に重宝することでしょう。
室内着は作務衣スタイル。朝食、夕食含め、館内どこでもこの作務衣のままでOKです。
セキュリティボックスはこちらに備え付けられています。
4.ホテリアアルトの中庭散策
雨が上がったことだし、せっかくなので中庭散策をしてみました。
中庭にはロビーにある扉から出ることができます。ヒール靴や館内履きの場合でも、外履き用のクロックスを貸し出してくれるので安心です。
「お客様、熊よけの鈴をお持ちくださいね。」
そうか、ここは自然豊かな裏磐梯の国立公園。熊たちの「ホーム」でもあります。そういえば五色沼周辺にも「熊目撃情報」の注意喚起の張り紙がありました。
お邪魔している「アウェイ」の身、熊を驚かせないよう熊よけ鈴を持って出発です。
中庭からレストランを含めた本館建物の全体が見渡せます。
気がつけば少し陽が差してきました。気候が良ければ、芝生の上のハンモックで読書や昼寝なども楽しめそうです。
散策路は池の周りをぐるっと廻るルートで、一周約10〜15分程度です。
特段景観が良いという訳ではありませんでしたが、淡い緑の木々の間を抜け透明度の高い池を眺めての散策は、心安まる時間となりました。
(五色沼散策が消化不良だった影響もあるかもしれませんが。笑)
新緑の頃や紅葉の季節もとても綺麗かもしれませんね!
5.ラウンジ
散策から戻ると辺りが少し暗くなってきました。
外から見える室内の暖かい灯りに誘われ、温泉に向かう前にラウンジで一息入れることにしました。
ラウンジには、ビール(その日は確かコロナとヴァイツェン)、ソフトドリンク、お茶類、ミネラルウォーターが常備されています。
それらも全て無料提供されています。
ちなみに、アルコール類は朝は片付けられています。
車での移動やお帰りになる方がいるので、当然ですね。
2階ラウンジやお部屋に飲み物を持っていって楽しもうかと思っていましたが、こちらのラウンジがとても居心地が良いので、結局ずっとこちらでゆっくりしてしまいました。
常備されているドリンク以外が飲みたい場合、別途メニューを頂いてワインやスパークリングワイン、カクテルなどの飲み物もオーダーすることができます。
これらもなんと無料。
オーダーしたい場合は、フロントにあるベルを鳴らして都度ホテルの方にお願いすることになります。
入浴前だった為、軽めのカクテル、スプリッツァーを頂きました。
夜の帳がおりてきて、ブルーモーメントのひとときをお酒と共に味わう。
とても贅沢な時間を過ごすことができました。
ポール・ヘニングセンのデスクランプの光もまた美しい。
「ヒュッゲ」って、こういうことをいうのかなと、とても贅沢な気持ちになりました。
6.ホテリアアルトの温泉
ホテリアアルトはモダンなデザインホテルでありながら、源泉掛け流しの湯を愉しめる良質な温泉宿でもあります。
ホテル内の全ての温泉は源泉掛け流し。掲示されていた成分表によると、加温、加水もされていないようです。
2019年7月に新たにオープンした別館には、各個室に専用温泉が付いているようですが、本館の個室温泉無しの部屋でも大浴場で十分温泉を堪能できます。
大浴場は、今回宿泊した本館と新しい別館それぞれにあります。
本館大浴場は男女入れ替えはなく、24時間入ることができます。
別館大浴場は時間入れ替え制で、その日は到着から24時までは女性が、24時から翌12時までは男性が入ることができました。
マナーを重んじて、浴室関連の写真は撮っておりませんのでご容赦ください。
(大浴場の入り口くらいは撮影しておけば良かった。。)
別館の大浴場
ちょうど別館の大浴場が女性専用の時間帯なので、まずはそちらに向かうことにしました。
別館へは本館1階から渡り廊下を通って行くことができます。
別館は、外壁の木材から内装まで、本館と素材感や色調を合わせて作られていて、ホテリアアルトの世界観を損なうことなくデザインされています。
巷によくある、「本館はくたびれているけど、別館はピカピカ」という類でも、「本館は趣のあるクラシック、別館はがらっと変わって妙にモダン」という感じでもありません。
別館の浴室に入ると、こじんまりとした脱衣所と奥に大浴場がありました。
脱衣所は籠が5つ、大浴場の洗い場が2つしかない為、混雑具合によっては窮屈に感じるかもしれません。
脱衣所には私の他に既に一人先客がいて、私の後に来た二人連れの方は「ちょっと狭くて無理そうだわ。」と、本館の温泉に向かわれました。
大浴場もスペース自体はさほど広くありませんが、大きな窓がある開放感がある内風呂が一つあります。
前面の池と緑を眺め、風を感じながらの入浴はとても癒やされました。
泉質は硫黄泉の源泉掛け流しで、ほのかに硫黄の香りがする肌当たりの柔らかいお湯です。
消毒のような香りはしません。
いつまでも入っていたくなる、居心地の良い空間とお湯でした。
本館の大浴場
脱衣所には籠が8つ、洗い場は3つ、浴槽は内風呂と露天風呂の2種類あります。
こちらの大浴場の方が別館のものより広いです。
こちらも混雑時には少し窮屈に感じるかもしれませんが、私が滞在した間は、ほぼ貸し切り状態で入浴できました。
天井も床も浴槽もほぼ木で作られている為、温かみのある、落ち着きのある空間になっています。
泉質は、別館と同じ硫黄泉の源泉掛け流しです。
滞在中に結局4回も入り、思う存分長湯を堪能してしまいました。
福島の冬は厳しいでしょうが、きっと雪見温泉も最高でしょう。
次は風情ある雪の季節に来てみたいと思いました。
「おしゃれなホテルに滞在したい」、「温泉宿でゆっくりとくつろぎたい」、ホテリアアルトはどちらの嗜好の方も満足できる宿ではないかと思います。
7.ホテリアアルトのディナータイム
夕食はダイニング「たごころ食堂」に移動していただきます。
室内着の作務衣を着たままでもディナーを楽しめます。
ダイニングに入ると真ん中に暖炉がしつらえてあります。
今回は夏の終わりだった為、残念ながら火は入っていませんでしたが、冬期は目にも体にも暖かくお食事をいただけそうですね。
お料理は地元の食材を使ったお箸でいただける洋風創作料理です。
ディナーを「aaltoよりお福分け」と表現されていて、なんだか微笑ましい。
ディナーでも飲み物はアルコール類含めてもちろん無料で、ラウンジでいただいたシャンパンやワインなどと同じものも全て無料でいただけます。
細かいこと(・・・飲み物の値段!)を気にせず、お料理にあった飲み物をいただきながら、食事を愉しむことができます。
銘柄にこだわる方は、追加料金にはなりますが、ホテルが選びぬいた会津産の日本酒やビール、宿特選のワインなどもオーダーすることができますよ。
さて、「本日のアミューズ」です。
左から、「海老のクリスティアン」、「フォアグラとトリュフのロッシーニ」、「ネバネバ野菜とチアシードのサラダ」、「フルーツトマトとモッツァレラのカプレーゼ」、「真鯵の炙りシトロンヴィネグレット」。
次に「コンソメとポロ葱の冷製スープ」。
スープのサラッとした口当たりとコンソメのジュレが夏らしく、コクがありながらもさっぱりといただけます。
「旬菜達のサラード 野菜のヴィネグレットをつけて」
いわゆる野菜の煮こごりです。地元会津産の野菜が使われていてみずみずしく、見た目も鮮やかです。
左横にある透明のイクラのようなものは、なんとトマトのジュレとのこと。
見た目に反した味でちょっとした不思議体験でした。
「鮎のロティー アンティボワーズ」
頭から尻尾まで丸々全てそのままいただけます。
鮎の爽やかな香りは夏の名残を感じさせます。
「黒毛和牛サーロインのグリエ」
サーロインのしっかりとした脂身があり、口の中で牛の脂の甘さが広がります。赤ワインとの相性もバッチリです。
添えられた野菜の色合いから、秋の訪れを感じさせますね。
「ポークと旬菜の生パスタ」
もっちりとした生パスタにポークのソースが良く絡んでとても美味しかったです。
程よくお腹が満たされたところで、最後のデザートです。
「会津のベコ牛の牛乳とマスカルポーネのクレマージュ」
牛乳とマスカルポーネチーズのムースは濃厚でしっかりとした味わい。
添えられたナッツのケーキとの相性もよく、コーヒーと共に美味しくいただきました。
多すぎず少なすぎず丁度よい量で、各プレートの提供タイミングも完璧。
フレンドリーで過剰すぎない付かず離れずのサービスで、終始リラックスした雰囲気で美味しくいただけました。
温泉宿には堅苦しさは不要、やっぱりこうでなくっちゃ。
8.扉の横の小箱の謎が解明
食後のコーヒーをいただきながら席で談笑していたところ、
「お夜食をお持ちしてよろしいでしょうか。」
と声を掛けられました。
9時〜9時半位に夜食をお部屋まで届けてくださるとのこと。
ダイエット中の身、「寝る3時間前は食事は厳禁・・」と一瞬脳内をかすめたものの、せっかくなので有り難く頂くことにしました。
ダイニングから部屋に戻って、再びお風呂をいただいてから部屋に戻りしばらくすると、扉の方から物音がしました。
扉の横の小箱を開くと、お弁当箱が一つ入っていました。
謎の小箱は夜食用のポストだったのですね。
くつろぎの時間をノックや声掛けで邪魔をしないホテル側の心遣いを感じました。
おにぎり2つとお漬物、美味しくいただきました。
9.ホテリアアルトの朝食
朝食は夕食会場と同じ場所、同じテーブルでいただきました。
ハーフビュッフェスタイルで、メインの大皿と冷たい小鉢以外の温かいものや飲みものは自分で好きなものを取りに行くことができます。
お米も野菜も地元の生産者のものが中心です。
派手さはないけれどほっと癒やされる、質の良い朝食をいただくことができました。
食材はすべて新鮮で美味しかったです。
まとめ
HOTELLI aalto(ホテリアアルト)では、とても満足のいく時間を過ごすことができました。
国立公園内の自然豊かな静かな立地、宿の規模はコンパクトながらも、北欧デザインを取り入れたおしゃれで居心地の良い空間、源泉掛け流しの良質な温泉、地元の食材を使った美味しい料理、満足のいくサービス、質と比較してリーズナブルな宿泊料金。
ゆったりとした時間と空間を愉しめる素敵な大人の隠れ家です。
季節を変えて必ず再訪したいと心から思わせる宿でした。
一休.comでも宿泊者の口コミ評価が4.71(2023年9月現在)とかなり高評価ですね!
一休.comでは不定期でセールも行っているようですので、気になる方はチェックされてみてはいかがでしょうか。
ホテル基本情報
ホテル名 | HOTELLI aalto(ホテリアアルト) |
住所 | 〒969-2701 福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字大府平 1073-153 |
電話番号 | 0241-23-5100 |
ホームページ | https://hotelliaalto.com/ |